メーカー技術者の頭の中

メーカー技術者mが日々考えていることを綴ります

企業研究で感じていること

研究について、大学や国の研究所と、民間企業との間での違いは、度々話題に上りますね。

·基礎研究重視で、時間やお金がかかっても、好きな研究に取り組める大学や国研
·実益重視で、お金にならない研究には取り組めない企業
 
ということで、民間企業で研究する上では、コスト意識が大事と、よく言われます。
確かにその通りだとは思いますが、
日々の実験で、次のようなものが重視されるのも、
企業での研究の特徴かなと思います。

1. 目標をきちんと設定して取り組む
2. 実験は、まず仮説を立ててから計画する
3. 可能性の高い仮説から、実験を通じて検証する
4. 実験の結果を受けて、次にどのような検証を行うか、
 関係者と相談し、結論を出してから次に進む
5. 1-4をできるだけ速く行い、
 その実験の背後にある研究テーマの進め方を決める

いわゆる、仕事術の本に書かれている言葉で書くと、
·PDCAサイクルを回す、できるだけ速く回す
·仮説思考
この2つが大事、ということです。

その背景にあるのは、
企業は利益を上げなければ存続できないので、
後々利益に繋がるような研究テーマにおいて、
必要な実験を、最小限の労力で行うことが大事、ということと思います。
実験は、利益を生み出すための手段であって、目的ではない、ということですね。
また、お金も時間も人も、限られているので、実験の効率化はとても大事です。
企業では、研究員とはいえ、実験以外の仕事もたくさんあります。安全管理、労務管理といった、組織運営の仕事です。

私は、入社当初は、上のことに気付かず、
実験を完璧にこなそうとしていました。
大学と企業での実験の目的の違いについて、
理解できていなかったのです。
生来の?頑張りたい意欲もあったのかもしれません。
すぐに頑張るよりも、本来の目的を捉え、
頭を使って、効率よくそれを達成する方法を考えよう、
当時の自分にそんなことを言いたいですね。
そして、今の自分には、効率よく達成する方法を体系化し、
一連のシステムにすること、これを言いたいです。

参考になれば幸いです。