メーカー技術者の頭の中

メーカー技術者mが日々考えていることを綴ります

2023年1-12月の読書記録 その1

過去を遡り、読書記録を書きます。

時期が分からなくなってしまったので、その1、その2の二部構成で行きたいと思います。

 

 

1. 東京會舘とわたし 上 旧館

2. 東京會舘とわたし 下 新館

友人の結婚式で足を運んだ東京會舘のお食事が素晴らしく、會舘について、興味を持って調べていた中で見つけた本。小説とは言え、この本を読めば、東京會舘の歴史を学ぶことができそうだなと思い、すぐに購入しました。

結果、東京會舘について理解を深められたことは勿論、東京會舘という一つの會舘において、所縁のある複数の登場人物たちの物語が、時代を超えて、世代を超えて、紡がれていく…随所に張られた伏線の効果も相まって、何だか感動してしまいました。普段、小説はあまり読まない私ですが、本書は一人一人の登場人物の心の動きが丁寧に描かれていて、とても読みやすかったです。

 

 

 

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3. スタートアップ的人生戦略

頷きながら読んだ本。起業・経営という視点で自身のキャリア・人生を考えること、私自身が学生時代に経営学に興味を持ったのも、まさにそれがきっかけでした。10年近く経った今、自分のキャリアをスタートアップと同じように舵取りすることは、より一層求められるようになったと、働きながら感じています。

経営と同じように、競争上の強みを見出すこと、つまり、他の人と違う自分の強みを見つけ、それを目的を持って育んでいくことが大事と感じました。

・自分の資産、大志、市場環境の歯車を組み合わせ、競争上の強みを身につける
・競争上の強みを培えるような、より小さな分野を見つけ、他人があまり選ばない隙間分野のスキルのエキスパートになる
・本当の自分は行動や経験を通して生まれてくる
・短期のリスクが却って長期のリスクを小さくする

4つ目のリスクについての考え方は、なかなかに重みがありますね。

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4. コンサルティング会社 完全サバイバルマニュアル

異業種ながら一気読み。
コンサルティング業界特有のシステマティックな仕事の進め方は取り入れたいなと思いました。リスク、課題、ToDoの流れ、論点思考、仮説思考。
一方、新しいものを生み出していく仕事をする身としては、システマティックではない、筋書き通りにはいかないところから、イノベーションは起こっていき、新しいものづくりに繋がると感じることも多々あるので、必ずしもシステムにこだわりすぎないことも必要で、つまるところ、バランスが大事かなと感じました。

また、今までコンサルタントは個人プレイが多いイメージがありましたが、それ以上に他者と協力しながら働くこと、特に、関係者への根回しは、とても大事な仕事であることが分かりました。コンサルタントであろうがなかろうが、円滑に仕事を進める上では、根回しは必要不可欠ですね。。

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5. フラット化する世界

MBAの企業のグローバル戦略に関する授業で出てきた本。有名な本なので読まねばと、思いながら、いざ読もうとすると長編で、読み終わるまでに数か月かかってしまいました。

ここ20年の世界の歴史を振り返ると、一つ言えるのは、グローバル化や技術の進歩によって、個人であってもできることの幅が格段に広がったことは確かということで、創造力を働かせて、自分にしかできないことに取り組めると良いのかなと思いました。

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6. ビジネスエリートになるための投資家の思考法

投資の指南本かと思いましたが、経営の本質を捉えた真面目な本で、頭を整理できました。企業/事業が持続的に高収益を上げ続けるためには、他社に対する競争優位を構築することが必要と言われますが、競争優位とは、本書で言う、モノ/サービスの付加価値、事業の経済性、長期潮流に優れていることと思いました。
また、本書で述べられている、インベスターシンキングとしては、自己投資と長期投資、つまり、自分が働く+優れた企業(の経営者)に働いてもらうという2つの視点を持ち、そのバランスを調整しながら、長期的に考え投資していくことが大切というところかなと思いました。

 

以下メモ。

・インベスターの視点

長期的に高収益を上げている企業のオーナーになり、その企業の優れた事業性に働いてもらう
事業性を見極めるには、事業の経済性、付加価値、長期潮流を捉え、何故そのようになっているか考えることが必要
経営とは、自社事業の経済性を見極め、戦うべき場所を決め、経営資源を投入すること

事業の経済性に迫るには、さまざまな分野の企業同士の比較を通じて、アナロジー(類似・類推)を意識することが必要 3つの視点で捉える:俯瞰的、動態的、斜めから

・高収益企業
顧客・社会が抱えた問題を発見・解決するポジショニング、問題発見・解決のプロセスがシステム化(組織、財務、ものづくりなど)

一例として、営業利益50%超えのキーエンス
顕微鏡を売っているだけではなく、専門的なコンサルタントがプロセスの改善という顧客の課題を解決
コンサルタントの養成がシステム化(顧客訪問のロールプレイングなど)

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7. ゼロ秒思考

文房具が好きということもあり(?)、メモ書きを良くする私は、考えを整理する上で手書きは大事だなと以前から思っていましたが、更に、素早く深く考えられるようになるためにも、手書きは大事と気付けた本でした。
手書きすることで、言葉を自由に、的確に使えるようになること、そうすれば、視点、ポイントが明確になり、仕事が円滑に進むようになること、相手の立場を尊重しつつ、妥協せず、卑屈な態度でもない、コミュニケーションが取れるようになること、今の私に必要なことでございます。。。
本書の手書きメモの例、タイトル(テーマ)ごとに実践していきたいです。
万年筆好きの私としては、本書のメモ書きの際に、更にお気に入りの万年筆を使うことで、よりメモ書きが楽しく心地良い時間なることを力説しておきたいです!笑

・メモ書きの効能
頭の整理、自信、怒り沈静、急成長
書き出すことで、自分を客観視できるということ、特に怒りを鎮めるには大事ですね…。
・メモは20-30字×4-6行をA4 1枚に
・できる人、優れた経営者は即断即決
思考の訓練と生産性の概念を持っており、
普段からその問題を考え続け、最善/最悪のシナリオや競合の動きなどが全て頭に入っている、仮説検証を繰り返し続けている

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8. 考具

数年前に読んだ本を再読し、新しいアイデアを思い浮かべ提案することへの向き合い方、この本を読んで大分変わったことを思い出しました。アイデアマンは天性のものと思っていましたが、適切な方法でひたすら考え続けることで、誰でもアイデアマンに近づけるはずですし、実際にそう思います。才能ではなく、適切な方法での訓練が大事ですね。本書はそれを教えてくれました。

・アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない。
・アイデアを紙に書く。形状やイメージを思い浮かべる。
・すでに知っていることだけからしか、何かを考え出すことはできない。
・アイデアのヒント・要素は作り出すのではなく、探す・見つける(マンダラート、連想ゲーム、オズボーンのチェックリストなど)。
・本当のアイデアマンになる近道は、理想像「わたしは〇〇○に考える人」を肩書きとしてしまうこと。

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9. 戦略プロフェッショナル

とても面白い本でした。
経営学での学びをどのように実務に活用するかに焦点を当てた本ですが、本書の事例はあくまで一つの事例で、それを読んだ上で、読者がそれぞれが考え、学びを実務に活かせる形に落とし込むことが必要と感じました。また、それが本書のタイトルでもある、戦略プロフェッショナルになる第一歩と思います。

・戦略の要諦は絞りと集中
・時間軸は競争相手からの制約を受ける
・セグメンテーションは戦略目的に完璧に一致させること、測定・到達が可能で十分な規模を持つものを選ぶこと、しつこいフォローをすることが必要
・日本人はアメリカ人を真似るのではなく、日本人らしい経営の考え方や手法を実務に落とし込んで行くのが大事ではないか

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10. リーダーの仮面

昨年よく見かけた本。組織での仕事の効率化という点で読んでみました。ルールを決めること、誰がいつ何をやるのかを明確にすることは大事ですね。リーダーではなくとも実践していきたいと思います。
リーダーシップは生来のものというイメージが強いとは言え、方法論として考えられている部分についつは、関心を持っていきたいと思いました。

・リーダーは5点:ルール、位置、利益、結果、成長を意識し、リーダーとしての仮面を被って(ペルソナを使い分けて)チームを運営し、会社の利益に貢献する。結果、チームも成長する。
具体的には、ルールを決め、それに則りチーム運営/上下の立場から部下とコミュニケーション/利益が出るか否かで判断/結果だけで評価
・リーダーが部下に対してすべきなのは、最初に目標設定をして、ちゃんと仕事を任せ、最後に結果を報告してもらい、評価すること。
できなかったことは指摘し、次の行動を部下に考えさせ、目標とともに設定する。これを繰り返し、結果と評価のギャップを埋め、部下を成長させていくこと。

・その他記憶しておきたいこと
①仕事は誰がいつまでに何をやるかを明確に。
②リーダーは部下から意思決定に必要な情報だけ取る。詳細は不要。機械的な報告連絡相談をさせ、結果の良し悪しではなく、事実としての結果と、次の行動だけを聞く。
③リーダーは部下と意識的に距離を取り、仕事の意味や価値観を押し付けない。
④会社にいる以上は、個人の利益に繋がっていくのは、組織のために働いたこと。仕事ができる人とは、評価者が求める成果を出せる人。
⑤知識は経験と重なることによって、本質にたどり着く。経験とともにしか人は成長しない。

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11. イノベーション&社会変革の新実装 未来を創造するスタンフォードマインドセット

新規事業の開発はなかなか思うように進まないものだなと、閉塞感を感じていた時に読んだ本。自分を含めて皆が本書に書かれているようなマインドセット、既存の考え方・周囲から当然そうだろうと期待される考え方にとらわれず、失敗しても良いので新しいことに挑戦しようというマインドセットで取り組んでいければ、もっと楽しいのになぁと思いました。同じ部署・仕事が長くなると、どうしても、新しい視点を持ち考えることができなくなってしまう、それが私自身が経験していることであり、また、日本の製造業が長く低迷している原因のようにも思うので、この際、心機一転、無理やりにでも外の空気を吸いに行き、新たな視点・考え方を取り入れることも一つかなと思いました。

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本書に出会ったきっかけは、スタンフォードに関するネットの記事だったかな。関連ツイートを貼っておこう。

 

12. 台湾 四百年の歴史と展望

台湾へ旅行に行ったため読みました。

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