メーカー技術者の頭の中

メーカー技術者mが日々考えていることを綴ります

経験を積むことの盲点

仕事も研究も、経験を積むことで獲得されるものは、たくさんあると思います。

例えば、仕事/研究をどのように進めるかであったり、こういう時にはこう考えた方が良い/こうした方が良いということであったりです。後者は、「パターンの認識による学習」と言えますが、「研究者としての勘を養うこと」とも言えると思います。

私自身、同じ部署で同じ研究開発テーマに5年以上携わってきましたが、この2つが身につくことで、同じ時間でより多くの仕事をこなせるようになったと感じています。

 

一方で、経験を積むことによって、失われるものもあると思います。

例えば、先入観を持たずに考えること、新しい視点で物事を考えることはよく言われますが、私は「状況を分析してから対応を考え実行する習慣」も失われるものの一つと考えています。

「こういう時にはこうする」という認識の下、確かに、仕事/決断は早くなりますが、今回も過去と同じく「こういう時」と捉えて良いのでしょうか?

過去と同じやり方で上手く行のは、過去と同じ状況であるからこそです。少しでも状況が違えば、上手く行く保証はありません。

「状況を分析してから対応を考えて実行する」この順番は、経験を積んだ上でも守るようにしていきたいものです。