学生時代、平日昼間の首都圏の電車で、
こんな言葉を放たれた方がいらっしゃいました。
「研究者はお金ではなく、思いで仕事をしないとダメ」
恐らく、メーカー勤務のサラリーマンの方です。
その言葉の真意は分かりませんが、
当時の私は、次のように解釈しました。
研究者はお金を儲けるためではなく、
こういう新しいものを作りたい、
こういう謎を解き明かしたいといった願いを叶えるために、
熱意、そして、愛着を持って取り組む、
つまり、思いを持って取り組まないと、
企業でも研究成果は上がらないということ。
モチベーションは、お金<<<思いという訳です。
しかし、企業に就職してみて、
研究のモチベーションはお金でも良いのではないか、
と、思うようになりました。
「お金のため」の研究であっても、
お金を稼ぐことが、その企業の存続に繋がります。
つまらない内容だとしても、立派な研究として、熱意を持って取り組んで良いのではないでしょうか。
実際、企業は大学や国の研究機関とは異なり、自ら稼ぎ続けることが必要不可欠で、新たな研究テーマを始めるときにも、
「最終的にどのくらい利益が上がるのか」が重視されます。
そのような中では、「やりたいこと」「面白いこと」だけでなく、「稼げそうなこと」に自然と目が行ってしまうものですが、
逆に、「稼げそうなこと」を視点に、研究や、他の物事を考えてみるのも良いのではないでしょうか。